獣医師の日野です
この子はよく嘔吐があるんです…
たまに下痢をするんです…
でもしばらくすると元気そうなので、これって大丈夫ですよね⁉️
この症状(以下消化器症状)は、診察室で耳にする特に多いご相談です。
これらは果たして病気でしょうか
みんなで考えてみましょう🤔
なんらかの病態が関連しているいくつかの慢性ケースパターン
(慢性とは…3ヶ月以上続く消化器症状)
食事の問題:動物も私たち人間と同じで、食事が原因でお腹を壊すことがあります。
ホルモン疾患:若齢から中年齢でも発症するホルモン疾患があります。
腫瘍:消化管発生の腫瘍性疾患は、慢性的な嘔吐や下痢が認められます。
ストレス:動物もストレスを感じます。
治療
慢性消化器症状がある動物には
胃薬
下痢どめ
消化管蠕動運動亢進薬
療法食による食餌療法
といった治療が行われます。
薬を飲めばよくなるけど、終わってしまうと再発してしまう
薬を飲んでいても、改善しなくなってしまった
そんな症状があるときは要注意です。
上記の <治療> はあくまで嘔吐・下痢という症状を改善するための <対症療法> であり
原因に対しての治療ではありません。
例えば
腫瘍が原因の場合は 腫瘍に対する治療(例えば抗がん剤や外科的に摘出すること)
ホルモン疾患が原因の場合は ホルモン剤の投与
炎症が原因の場合は 抗炎症剤の投与
ストレスや食事が原因であった場合は 食事の変更
が必要になります。
対症療法は、良い意味で症状の緩和を期待することができますが
根本的解決を行なっている訳ではないので、症状はもちろん再燃してしまいます。
これら病態の解明には、 生検や内視鏡検査 というものが必要になるケースがあります。
(特に炎症性疾患/腫瘍性疾患の場合)
生検とは…
腸や胃の一部を切り取り、病理検査に提出すること
方法…
内視鏡を用いた一部組織生検
手術による全層生検
生検や内視鏡検査を行う最大のメリットは、 確定診断 を行うことができることです。
確定診断を行うと、病態がわかるので、治療法が確立されます。
それにより、完治の可能性があるのか/予後についての考察を行うことも可能です。
当院では、診断までのサポートを行い、生検や内視鏡検査の実施についても積極的に取り組んでおります‼️
対症療法でなんとか症状を抑えているけど、隠れた病気が進行していないか不安
対症療法が効かなくなってしまった
原因が知りたい
麻酔が怖い/基礎疾患があるので、精査を行うかどうかを悩んでいる
こうした慢性消化器症状を抱えた飼い主様のご相談をお受けしております。
今までの治療過程がある子は、その治療反応をもとに考えられることなど、お話しできることもあるかと思います。
お悩みを持つ飼い主様は、ぜひ一度お気軽にご来院ください。
以下、明らかな病的異常ではないケースもあるため、一部ご紹介致します
お家でできる工夫でなんとかなってしまうケース1)
動物は基本、丸呑みで食餌を食べています。
勢いよく食べたり、たくさん食べすぎた場合は、一時的な消化不良や胃の運動が停滞してしまうことで、嘔吐してしまいます。
→食餌を小分けにしてあげる工夫をしましょう❗️
お家でできる工夫でなんとかなってしまうケース2)
空腹時嘔吐、というものがあります。
空腹状態で胃酸が分泌され、悪心を感じると嘔吐してしまいます。
→空腹時間を短くするために、夜ご飯の時間と朝ごはんの時間間隔を狭めてみてください❗️
上記の工夫で改善されるようであれば病的ではなく、治療の必要はありません。
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