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執筆者の写真武相動物病院グループ

チェリーアイについて

更新日:2023年8月15日

概要:

チェリーアイとは、目頭にある第三眼瞼(瞬膜)が飛び出してしまう病気です。正式には「第三眼瞼腺(だいさんがんけんせん)脱出」といいます。


第三眼瞼は下まぶたの内側にあり、眼球を保護したり、涙を分泌したりする大切な役割を担っています。普段は目頭の中に隠れているため見えることはありませんが、睡眠時などに確認できるかもしれません。チェリーアイは、第三眼瞼の根元の付け根がゆるむことによって起こり、ほとんどは1歳未満の子犬で発症します。片方に限らず時間差で両眼がなる事もあり、これは防ぎようがなく、予防薬などもありません




なりやすい犬種:

外傷などでチェリーアイになることもありますが、ビーグル、コッカー・スパニエル、ペキニーズ、ボストン・テリア、フレンチ・ブルドッグなどは先天的に起こりやすい犬種といわれています。



治療:

□薬炎症を抑える点眼薬を持続的に使用します。

あわせてエリザベスカラーなどで眼をこすらせないようにすることも重要です。


□手術:外科治療軽度であれば、綿棒などで押し込むことで一時的に治せますが、すぐに再発してしまいます。一般的な外科治療は、飛び出した第三眼瞼を元の正常な位置にもどして縫い合わせる方法です。この治療をしても再発の可能性はあります。


※昔は飛び出した第三眼瞼腺を切り取る処置をしたこともありました。しかし、涙を作る大切な器官を切り取ると涙が足りず眼球が乾き、乾性角結膜炎を発症する危険が高くなるため、今はこの処置をすることはありません。


実際の症例:

ブルドッグ3ヶ月齢

当院では基本的にはポケット法と呼ばれる術式を採用しています。


術後1週間後⬇︎



チェリーアイを放置すると:

瞬膜腺は涙を作っていて、その量は涙全体の30%を占めます。進行したチェリーアイでは、瞬膜腺で涙が作れなくなり、涙の分泌量が減ることでドライアイになります。ドライアイになることと、瞬膜が目を保護できなくなるため角膜が傷つきやすく、角膜炎を起こし、白目が充血したり、涙が多くなることがあります。また、瞬膜に存在する軟骨の形が変形してくるため、簡単に元に戻せなくなっていきます。そのため、症状が進行する前に動物病院を受診する必要があります。



ご相談やセカンドオピニオンにも対応しておりますので、当院までお越しください。

※当院は予約制となっております。事前にご連絡頂きますようにお願いいたします。

※医療関係者様からの手術の依頼、相談等も受け付けております。

TEL:050-1807-1120


武相動物病院 獣医師 岩屋大志郎


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