この記事では、特に雄猫に多い尿道閉塞に対する外科的な処置についてのお話をします。
概要:
尿道閉塞について詳しくは過去の記事も参照して下さい。
会陰尿道路造瘻術(えいんにょうどうろぞうろうじゅつ)とは、
閉塞を起こす尿道の先端部を切除して、新たに広げた尿道をお尻の皮膚(会陰部)に縫い付ける手術です。
もっと簡単にいうと雄を雌猫のような尿道に作りなおす手術です。
適応:
・カテーテルなどで行う閉塞の解除が物理的に困難な子。
・食事や内科治療の反応が乏しく何度も尿道閉塞を繰り返し、その度に急性の腎障害などを起こす子。
実際の手術:
年齢不詳 推定3−4歳 以前にも閉塞歴あり
レントゲンにて細かな結石が尿道に5〜10個連続して詰まっており、解除が困難であり手術に至る
術野を消毒し、ドレープをかけます。
陰茎を尿道の広い尿道球腺部まで露出し、尿道を切開します。
開いた尿道粘膜を皮膚に綺麗に縫い付けて終了です。
術後1ヶ月でこのような状態になっています↓
術後の考えられる合併症:
・尿道粘膜と皮膚との癒合不全
・術野の汚染(糞尿)による感染
・頻尿や血尿
・尿道の狭窄
雄の犬の場合も同様の手術を行うことができます。
ご相談やセカンドオピニオンにも対応しておりますので、当院までお越しください。
※当院は予約制となっております。事前にご連絡頂きますようにお願いいたします。
※医療関係者様からの手術の依頼、相談等も受け付けております。
武相動物病院 獣医師 岩屋大志郎
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