獣医師の中村です🦒
新型コロナウイルス感染拡大でなんとなく人の感染症についてはわかってきた気がするけど
犬や猫の感染症を引き起こす病原体ってなにがあるの❓
年一回とりあえず打たれるあの注射はなんなの❓
混合ワクチンと狂犬病って違うの❓
あの背中に垂らすやつなんなの❓
フィラリアとかノミダニとかなんですか❓
などなど、わかっているつもりだったけど、改めて考えてみると疑問が山のように出てくる方も多いのではないでしょうか🤷
私も別分野、例えばももクロとかAKBとかSKEとか乃木坂とかの中の1曲をいきなりおすすめされたとしても
そもそもどこのグループの人なのか、秋元康なのかつんく♂なのか、それ以外の人がプロデュースしているのか
ごちゃごちゃになる気しかしません👍笑
そこで今回は病原体のジャンル分けに注目して、ふわっとざっくり解説していきたいと思います。
・ウイルス
自分で細胞を持っておらず、細菌の50分の1ぐらいのサイズです。
ウイルスには細胞がないので、他の細胞に入りこみ、ウイルスは増殖を繰り返して生きていきます。
犬の病気を引き起こすウイルスとして、
・狂犬病ウイルス
・犬ジステンパーウイルス
・犬アデノウイルス
・犬パルボウイルス
・犬パラインフルエンザウイルス
・犬コロナウイルス(COVID-19とは無関係)
などが知られています。
猫の病気を引き起こすウイルスとして、
・猫汎白血球減少症ウイルス(猫パルボウイルス)
・猫カリシウイルス
・猫ヘルペスウイルス
・猫エイズウイルス
・猫白血病ウイルス
などが知られています。
ウイルスは大きさや仕組みが細菌と異なるので、抗菌薬は効かず、ワクチン予防接種を行うことで発症や重症化を防ぐ事ができます。
抗ウイルス薬はまだ少ししか開発されていません。
狂犬病ワクチンは接種済票(あのメダルみたいなやつ)をもらう方の注射で、
その他の混合ワクチン(5種とか6種とか10種とかどれか選ぶやつ)は証明書だけもらう方のワクチンです。
・細菌
細菌は糖質やタンパク質など、栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことができます。
目には見えない程小さいサイズです。普段から犬や猫の体には多くの種類の細菌がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っています。犬や猫に病気を起こすことがある細菌として、
・大腸菌
・黄色ブドウ球菌
などがあります。
抗菌薬は細菌感染を治療するための薬です。
抗菌薬が効きにくいらもしくは効かない細菌のことを薬剤耐性菌といい、抗菌薬が効かなくなると、感染症の治療が難しくなるだけでなく、手術の時や抗がん剤治療などで免疫が低下したときに感染しやすくなるなど様々な問題が起きます。
抗菌薬についてはまた詳しく掲載しますのでお楽しみに!!
・真菌
真菌とはカビのことで、細菌よりどちらかと言えば哺乳類の細胞に似ている構造をしていると言われています。
きのこも真菌の一種です🍄
そのため、抗菌薬は効かず、真菌症の場合、抗真菌薬によって治療を行います。
・寄生虫
文字通り動物のからだに寄生する虫です。寄生される動物を宿主といい寄生の部位によって、体表面に寄生するものを外部寄生虫、体内に寄生するものを内部寄生虫といいます。
外部寄生虫は代表的なものとして
・ノミ
・マダニ
が挙げられます。
外部寄生虫は駆虫薬(背中に垂らすやつor一緒に食べるタイプ)にて駆虫する事ができます。
内部寄生虫は大きく
・線形動物(主に線虫=回虫とかフィラリアとかそうめんみたいなやつ)
・扁形動物(主に条虫=白いつぶつぶしたやつ)
・原虫(目に見えないサイズ)
に分けられ、線形動物は駆虫薬(いわゆるフィラリア予防薬、食べるやつ)、扁形動物は猫に寄生することが多いため猫用の駆虫薬、原虫は抗生剤などで死滅・予防を行います。
特に寄生虫あたりがややこしいですね。。。
分類しておいて言うのもなんですが、
ワクチン接種しっかりと行い、オールインワンの予防薬を購入しておけば間違いないかと!!
予防薬にアレルギーがあったり、好き嫌いで食べなかったりなどの問題があればご相談ください。
お家の子に合った最適な予防を一緒にしていきましょう!
動物たちと飼い主様との距離を縮め、
色々な事を共有できればと始めたブログですが、今後も少しづつ継続していきたいと考えています💡
聞きたいこと、知りたいことがあれば、ブログのテーマとして出来る限りご対応させて頂きたいと思いますので、随時募集中です!
いつでもコメント頂ければ嬉しいです✨
これからも、武相動物病院をよろしくお願い致します!
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