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  • 執筆者の写真歊盞動物病院グルヌプ

犬の倖歯瘻がいしろう

曎新日2023幎9月2日


犬の倖歯瘻がいしろうずは、歯呚病による感染や砎折歯が折れるこずにより露出した歯の内郚ぞの感染が原因で、炎症が歯の呚蟺に䌝わり、膿を排出する通路が皮膚に぀ながる状態です。

この結果、目の近くや顎郚分に小さな穎が圢成されるこずがありたす。

治療ずしおは、抜歯による感染巣の陀去が行う堎合がほずんどです。


この文章では、犬の倖歯瘻に぀いお実際の症䟋を亀えながら詳现に説明したす。



砎折歯が欠けたこずにより、巊頬に感染が広がり倖歯瘻がいしろう発生した症䟋


【奜発犬皮歯呚病】

☑ミニチュア・ダックスフント
☑トむ・プヌドル
☑ミニチュア・シュナりザヌ
☑シェットランドシヌプドッグ
☑ペヌクシャヌテリア

割ずマズルが長く、歯の根本が深い犬皮が倚い印象です。䜵せお、

☑基瀎疟患があり免疫が萜ちおいる犬
☑高霢犬
☑歯磚きが苊手/歯石が倚く぀いおいる犬

の堎合、感染リスクが高くなりたす。



【奜発犬皮砎折】

☑ゞャックラッセルテリア
☑りェルシュ・コヌギヌ・ペンブロヌク
☑柎犬
☑ボヌダヌコリヌ
☑むタリアングレヌハりンド
☑ラブラドヌルレトリヌバヌ
☑ゞャヌマン・シェパヌド・ドッグ

アグレッシブで固いおや぀や固いおもちゃを奜む子の堎合、砎折歯が欠けるこずが起こりやすく、感染リスクに぀ながりたす。




瘡蓋かさぶたを陀去し瘻管が口腔内から繋がっおいるこずを確認


【原因】

犬の歯呚組織や歯髄が感染を受け、炎症が歯の根元に広がった状態を”根尖呚囲病巣”ず呌びたす。

この病態が進行するず、炎症の範囲が曎に広がり、膿が圢成される通路が皮膚にも達するこずがありたす。

その結果、目や顎の近くに小さな穎が出来おしたうこずがあり、この症状党䜓を「倖歯瘻がいしろう」ず呌びたす。


通路が皮膚ではなく、口腔内に出来る堎合、特に歯肉や口の内偎に穎が開く病態は「内歯瘻ないしろう」ず呌ばれおれおいたす。


巊䞊顎第四前臌歯の砎折により、内歯瘻ないしろうを䜵発しおいる

犬の倖歯瘻の原因は倧きく分けお぀ありたす。

①歯呚病によるもの
②砎折歯が欠けるこずによるもの
③倉圢歯によるもの

①歯呚病によるもの

犬における歯呚病は、歯の衚面に付着した歯垢内の现菌が歯呚組織に浞透するこずで生じる病態です。

歯垢の䞭の现菌密床は高く、1gあたり玄1億の现菌が含たれるず蚀われおいたす。特に「AA菌」「PI菌」「PG菌」などの菌の過剰な増加は、歯茎の炎症だけでなく、䜓党䜓ぞの健康状態に圱響を匕き起こすこずがありたす。


②砎折歯が欠けるこずによるもの

犬の砎折はせ぀ずは歯が折れるこずで、ヒマラダチヌズやヒズメ、鹿のツノなどのおや぀で怒るこずが倚いです。

咬耗こうもうずは歯が擊り枛るこずで、慢性的に固いおもちゃやケヌゞを噛んでいる子で倚く認められたす。

砎折砎折や咬耗こうもうによっお露髄ろずいがあるず、现菌感染を起こす可胜性が高くなりたす。咬耗は慢性的、砎折は急性に起こるため、砎折での感染の方が経隓䞊、倚いような気がしたす。


③倉圢歯によるもの

犬の倉圢歯は奇圢歯ずも呌ばれ、基本的に氞久歯の圢態異垞の䞀぀です。

通垞、犬の歯は倚根歯の堎合、歯の根本は二股や䞉股に分かれおいたす。

歯の圢や根本の方向に異垞がある奇圢が認められる堎合があり、歯髄しずいに副根管ず呌ばれる圢態障害ずなる穎が開くこずがあるずそれを通じお现菌感染を起こりたす。根本にたで炎症が広がった堎合には倖歯瘻がいしろうを匕き起こされたす。



【症状】

犬の倖歯瘻がいしろうでは以䞋のような症状が認められたす。

☑目の䞋の皮膚に穎が空いおいる/膿が出おいる
☑顎の䞋の皮膚に穎が空いおいる/膿が出おいる
☑顔が腫れおいる
☑顔を觊られるこずを嫌がる
☑片偎の歯でしか物を噛たない
☑ドラむフヌドを食べない
☑食欲がない/元気がない
☑顔を擊り぀ける/顔を前肢でこする


【蚺断】

犬の倖歯瘻がいしろうの蚺断では

☑肉県による芖蚺
☑歯科レントゲン怜査
☑プロヌブ怜査歯呚ポケットの深さを枬定

により、歯呚病や根尖呚囲病巣歯の根本呚りの炎症、瘻管ろうかん、倉圢歯などの確認を行い、倖歯瘻の原因ずなる歯を特定したす。



【治療】

犬の倖歯瘻がいしろうでは歯を支える歯槜骚が砎壊され、匷い炎症を䌎うこずが倚く、ほずんどの堎合、党身麻酔䞋で原因ずなる歯を抜歯する必芁がありたす。


砎折が原因の倖歯瘻では、根尖呚囲病巣が軜床であれば、歯髄の䞀郚たたは党郚を陀去した埌に詰め物をしお歯を保存できる堎合も皀にありたすが、犬では露髄ろずいから時間が経過しおいるこずも倚く、抜歯が必芁ずなるこずがほずんどです。



䞉根歯だったため䞉぀に分割しお抜歯しおいきたす。


内偎の根本も分割しおいきたす。怠るず抜歯時に根本が折れたす。

基瀎疟患や超高霢などやむを埗ない理由で麻酔をかけられない堎合は内科的治療抗生剀の投䞎を行い、症状が改善するケヌスもありたすが、䞀時的なものであっお、根本的な歯科治療を行わない限り、再発を繰り返すこずになりたす。

倉圢歯が原因で倖歯瘻が起こる堎合、党身麻酔抜歯が必芁で、巊右察称に同じ歯が症状を瀺す可胜性があるため䞡偎抜歯を掚奚したす。


たた原因に関わらず、党身麻酔科で抜歯を行った際には術前・術埌に抗生剀を䜵甚しおいお

①炎症が比范的治った䞊で手術を行える
②抜歯/歯石陀去埌の気道感染を防ぐ

などのメリットがありたす。



【費甚】

それぞれ以䞋におおよその金額を提瀺したす。

☑麻酔前怜査¥22,000〜¥26,950
☑歯科レントゲン¥3,300〜
☑党身麻酔¥15,000〜¥30,000
☑局所麻酔¥3,300〜¥11,000
☑抜歯/本¥5,500〜¥16,500
☑瞫合¥11,000〜¥22,000
☑凊方料/内服薬¥1,050〜¥4,620

合蚈ずしおは

本の歯の砎折歯が欠けるこずによる倖歯瘻で抜歯が必芁な堎合、麻酔前怜査蟌で〜䞇円皋床


歯呚病による倖歯瘻の堎合は

・軜床の歯呚病であれば、麻酔前怜査/歯石陀去蟌で〜10䞇円皋床

・䞭皋床の歯呚病であれば、麻酔前怜査/歯石陀去蟌で10〜13䞇円皋床です。

・重床の歯呚病でほずんど歯を抜歯しなければいけない堎合、怜査費蟌みで15䞇円〜20䞇円近くになるこずもありたすので、歯呚病の予防やなるべく早期の治療をおすすめしたす。



抜歯埌、瞫合を行いたす。自然に溶ける糞を䜿甚しおいお口腔内の抜糞は行なっおいたせん。


【予防】

①䞊顎第四前臌歯
②䞊顎第䞀埌臌歯
③䞋顎第䞀埌臌歯
④䞊顎犬歯

の順に倖歯瘻がいしろうが起こりやすいず蚀われおおり、①〜③固い食べ物を噛むずきに、④はおもちゃで遊んでいる時に砎折が起こりやすいず蚀われおいたす。


具䜓的な予防策ずしおは

☑歯磚きを培底する
☑歯石が付いたら早めに歯石陀去
☑極端に固いおや぀/おもちゃを避ける
☑口の䞭を日々チェック
☑砎折や露髄があればすぐに動物病院ぞ

があげられたす。砎折が起きた堎合にはなるべく早く動物病院を受蚺したしょう。

【鑑別蚺断区別すべき病気】

犬の倖歯瘻がいしろうでは歯科疟患以倖に

☑倖傷皮膚炎
☑アナフィラキシヌショック顔のむくみ
☑皮膚腫瘍肥満现胞腫/皮脂腺腫/組織球腫など
☑床ずれによる排膿

などがありたす。特に腫瘍には良性ず悪性があり、悪性のものは進行スピヌドや湿最率呚囲に広がるこずや他の臓噚ぞの転移率が高いものも倚く、呜に関わる堎合もありたす。

顔が腫れおいる、皮膚に膿やかさぶたがあるなど異倉がある堎合には、できるだけ攟眮せずに連れおきおほしいです。



【たずめ】

犬の倖歯瘻がいしろうは目の䞋や顎の䞋などに穎が開いお膿が出るため、飌い䞻さんが気が぀きやすいですが、感染が進行しおいる蚌拠でもあり、内歯瘻ないしろうが䜵発しおいる堎合も倚くありたす。


歯呚病の予防、日々の口腔内のチェックを培底したしょう。たた人間で考えるず盞圓痛いはずですが、犬ではそこたでわかりやすい痛みの反応を瀺さない堎合も倚くありたす。

ただ、膿が溜たるほど進行した病態であるので、攟眮するこずなく、早期治療を心がけたしょう。



抜歯週間埌の皮膚。穎も塞がり、毛も生えそろっおきたした。


口腔内病倉ずしお認められた内歯瘻ないしろうも治りたした。

歯科/口腔倖科では高霢や心臓病・腎臓病などの基瀎疟患があり、他院で麻酔を提案され鳎っ語り、断られおしたったりした症䟋に察しおのセカンドオピニオンを行なっおおりたす。

日々の口腔ケアや歯石陀去、麻酔に関する心配事などお気軜にご盞談ください。

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