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  • 執筆者の写真武相動物病院グループ

犬猫の多飲多尿 「水をいっぱい飲む」 「おしっこをいっぱいする」




多飲多尿とは、「水をよく飲みおしっこをよくすること」で、犬猫でもしばしば見られます。

多飲の基準としては一般的に、犬の場合は1日に体重1kgあたり100mlを超える、猫の場合は体重に関わらず1日に250mlを超える時に異常と判断します。

また多尿の基準は、1日に体重1kgあたり60mlを超えているときです。おしっこの量を測るのはなかなか難しいですが、、、


今回は多飲多尿を引き起こす原因疾患について見ていきたいと思います。



〜鑑別診断リスト〜

①腎臓の疾患(慢性腎臓病、急性腎障害、腎盂腎炎)

②糖尿病

③子宮蓄膿症

④副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

⑤副腎皮質機能低下症(アジソン病)

⑥甲状腺機能亢進症

⑦肝不全

⑧高カルシウム血症

⑨尿崩症(腎性、中枢性)

⑩心因性多飲





①腎臓の疾患

(1)慢性腎臓病 【血液検査・超音波検査・X線検査・尿検査・血圧検査】

腎臓の構造と機能の異常が長期間続けば慢性腎臓病と診断されます。一度の検査で慢性腎臓病とは診断できないため、定期的な検診を繰り返す必要があります。慢性腎臓病の中期から後期にかけては食欲不振や嘔吐などの尿毒症の徴候が見られます。


(2)急性腎障害 【血液検査・超音波検査・X線検査・尿検査】

数時間〜数日の間に急激に腎機能が低下する状態を言います。命に危険が及ぶ疾患であるため、早急に原因を突き止め対処する必要があります。原因としては、犬では毒物・薬物や感染によるものが多く、猫では尿路閉塞(結石など)が多いです。


(3)腎盂腎炎 【血液検査・超音波検査・尿検査】

腎盂(腎臓の尿を溜めておく場所)および腎実質(尿を作っている場所)の炎症のことです。原因として最も多いのは細菌感染によるもので、尿道から細菌が入り込み、腎臓まで感染が広がってしまうことがほとんどです。急性の場合は、発熱・食欲不振や嘔吐などを伴うことがあります。



糖尿病 【血液検査・尿検査】

インスリンの不足や欠乏によって血液中を流れる糖が増えてしまい(高血糖)、様々な代謝異常を引き起こす疾患です。高血糖が続くとケトアシドーシスという危険な状態になってしまいます。原因としては、クッシング症候群・膵炎・ステロイドの長期服用・膵島萎縮などが挙げられます。



子宮蓄膿症 【血液検査・超音波検査】

犬では中高齢の未避妊メスに認められる一般的な疾患です。発症の平均年齢は8~10歳齢で、発情出血開始後1~2ヶ月の頃に発症することが多いです。

子宮の内側の粘膜が感染により炎症を起こし、子宮の内部に膿が溜まってしまう疾患です。陰部から膿が出てくるパターン(開放性)と、出てこないパターン(閉鎖性)があります。



副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

【血液検査・超音波検査・尿検査・CT検査・MRI検査】

副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが慢性的に過剰に分泌することによって起こる疾患です。自然発生性の原因としては、下垂体(脳の下にあるホルモンの働きをコントロールする場所)の腫瘍と、副腎の腫瘍があります。犬では下垂体腫瘍性の発生頻度が85%程度を占めます。また、ステロイド薬の長期投与により同疾患を引き起こすこともあります。

多飲多尿に加え、多食や腹部膨満、皮膚の脱毛がよく見られます。



副腎皮質機能低下症(アジソン病) 【血液検査・超音波検査】

副腎皮質の85%~90%程度が破壊されることで、副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)が不足することで発症します。詳細な原因は明らかになっていません。

一般的に食欲不振、嘔吐、元気消失、沈うつなどの症状が見られます。

急性に副腎不全が起こるとショック状態に繋がってしまうため、早急に治療を行う必要があります。



甲状腺機能亢進症 【触診・血液検査】

高齢の猫で代表的な内分泌疾患で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌することで発症します。

体重減少、食欲低下、活動性の亢進、頻脈や高血圧が一般的に見られます。



肝不全 【血液検査・超音波検査・X線検査・肝生検】

肝機能の障害による意識障害、黄疸、腹水、出血傾向などを引き起こす重篤な病態です。



高カルシウム血症 【血液検査】

血液中のカルシウム濃度が非常に高い状態です。原因としては、ホルモン異常や腫瘍、腎疾患などがあります。重症化すると錯乱や昏睡状態になってしまうことがあります。



尿崩症(腎性、中枢性) 【尿検査・ホルモン検査】

腎臓にて尿を濃縮する機能を働かないために起こります。尿が濃縮できないので大量の尿が出てしまいます。抗利尿ホルモン(バソプレシン)が分泌が不足(中枢性尿崩症)したり、腎臓が機能障害を起こす(腎性尿崩症)ことが原因となります。



心因性多飲

何らかの心理的なストレスなどにより飲水量が増加し、その結果尿量が増加する疾患です。他の多飲多尿を示す疾患を除外することにより診断されます。




多飲多尿は何か重大な疾患のサインかもしれないので、もし気になった場合はお近くの獣医師に相談して下さい!



                         




                          武相動物病院  獣医師 岡田

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