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  • 執筆者の写真武相動物病院グループ

麻酔外科学会での発表 猫の漏汁胸に対して外科的矯正を行なった13例

更新日:2023年8月15日

獣医師の岩屋です。

今回は自分が携わってきた手術がこういう形で世の為になるかもしれないというお話です。


以前のブログでも紹介しました猫の漏斗胸整復術

生まれつき、胸骨が変形していることで呼吸器や心臓を圧迫する怖い病態です。

症状のある場合、外科の介入をしなければ予後は不良とされています。



この病態に対する手術方法はいくつかあるのですが、この術式が絶対に良いとされる統一された見解は未だありません。もちろん絶えず治療は進化していくのですが、一方で他の病態では30年前から変わらない手術方法もあります。そのような手術は逆に言えば、現時点でそれを超える成績の方法がない。つまりは優秀な方法ということになります。


漏斗胸に関してもそのように優秀な手術方法がないか。それを調べた研究でもあります。

そもそも漏斗胸自体、症例数が少ない(生後直ぐに亡くなる、売りに出されないなど)為、手術の機会も少なく充分な治療法の検討が少ないのです。そのような中でも過去に行った13例の症例から、2つの手術方法のメリット・デメリットをまとめたものが先日行われた獣医麻酔外科学会第106回の演題として発表されたのです。

発表は私の師匠でもある、なかもず動物病院の寺前が行いました。


内容を簡単にいうと以下の2つの方法のメリット・デメリットの比較です。


①プラスチック副子による固定

②金属プレートを用いた固定


手術成績だけでなく

術後の管理のしやすさ、コスト面、合併症の有無、手術時の細かなコツ、苦慮した点などを同じ獣医師と共有することで、今後新たな術式の発見や日本全国での手術成績の向上が期待できます。


このように我々獣医師は日々の症例のと向き合い、答えのない治療法に対しも最善策を模索しています。

その一助に自分もなれたことを誇りに思いまた今後の診療に向き合っていこうと思います。


ご相談やセカンドオピニオンにも対応しておりますので、当院までお越しください。

※当院は予約制となっております。事前にご連絡頂きますようにお願いいたします。

※医療関係者様からの手術の依頼、相談等も受け付けております。


武相動物病院 獣医師 岩屋大志郎


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