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  • 執筆者の写真武相動物病院グループ

その耳掃除、本当に必要ですか…

更新日:2023年8月15日

わんちゃんのお耳の匂いや汚れ、気になったことはありませんか?

しかし耳掃除、実は100%必要というわけではありません!


・病院、トリミングで毎回耳掃除

・耳毛は抜いてもらう

・家で綿棒でお掃除


⬆︎これらは基本的にオススメしない行動です。




耳の自浄作用:

本来耳は、掃除をしなくても耳垢が外に出る仕組みになっています。また、耳に存在する腺からは抗菌作用を持つ分泌物が出るため、頻回の掃除により抗菌作用が失われます。


耳毛は大切:

耳毛は抜くものだと思っていませんか?

耳毛は外界からの異物などの侵入を防いでくれたり、立派な役割があります。また抜くことで、むしろ耳の中の皮膚に炎症を引き起こす原因となります。我々が美容室に行く度に鼻毛を抜かれては堪ったもんじゃないですよね!


綿棒は非推奨:

耳の中の皮膚はかなり繊細です。実際かなり薄いので、ちょっとした刺激で傷つきます。

家での掃除は基本的に不必要です。痒みなどの症状を伴い、明らかな異常を感じる際には受診を推奨します。






こんな時には掃除する!:

何らかの原因で耳垢の排出が通常通りできていない場合に、当院では耳掃除を行います。耳垢を放っておくと細菌や真菌(マラセチア)の温床になったり、耳道を塞いでしまい耳の環境が劣悪になるからです。

耳毛も極力カットすることで、皮膚を傷つける抜くという行為は行いません。


耳鏡(耳道を見る道具)で鼓膜の有無を確認した後、生理食塩水で洗浄を行います。耳垢がひどい時には薬を入れることもありますが、基本は自浄作用を助けてあげるような処置にとどめます。



そもそも外耳炎の原因は?


いくつか原因はありますが、圧倒的に多いのはアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎です。

よく細菌や真菌(マラセチア)が悪者にされることが多いですが、彼らは2次的に過剰に増えた常在菌です。

つまり常在菌を減らす薬(抗生剤や抗真菌薬)は根本的な解決になり得ません。

火事の際、火元が地下のガスコンロなのに、1階で消火器をバラ撒いているようなもの(見える範囲は火が消えたようにみえる)で根本の治療をしなければ症状が再発、慢性化していきます。


それどころか、抗菌剤の内服などは耳だけに作用する訳ではなく腸内含め全身に作用します。

腸内細菌を乱してしまうようなことは極力避けたいのです。(腸内細菌の重要性はコチラ




当院での取り組み:

今まではトリミングのオプションとして耳掃除(別途費用あり)行っておりましたが、今後はトリミング料金はそのままに耳掃除も含むこととしました!そして勿論、耳の中を確認し掃除が必要だと判断した場合のみさせて頂きます。


耳に対して過剰な介入は禁物!


耳掃除が必要があるのか、薬を入れる必要があるのか、ぜひ獣医師にご相談ください。




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